今年は新型コロナウイルスの影響により、世界中の人々の生活が大きく変容した一年でした。この前例のない困難な状況下でも、Z 世代が半数以上を占めるTinder のメンバーはその環境に順応し、オンラインデーティングを楽しんでいました。実際に、9月末時点でメッセージおよびスワイプの数は 2月末から 2桁増加 *1 していることが分かっています。
*1 Match Group, Inc. Q3 2020 - Letter to Shareholders
メンバーのプロフィールは自己紹介のほか、自分の興味関心のあるものをシェアし、自分らしさを表現することで、より良いマッチの成立に役立ちます。今年は“変化球”を投げられることが多い中、Tinder のメンバーはこれまでよりも オープンで、趣向を凝らしたプロフィールを作り、新たなつながりを見つけていました。
プロフィール内に「マスク」を含んだ人は、昨年比約 10 倍 *2。今年でなければ見ることのできなかった象徴的なデータのひとつになりました。“デートの時はマスク着用でコロナ対策” など、デートにおいてもマスクの着用を促す内容のほか、 マスクで肌荒れ中、マスクやめたいなど、多くの人が抱えるマスクに関する悩みを 共有する様子も見られました。
*2 2019 年 1 月~11 月 15 日と 2020 年同期間の比較
新型コロナウイルスの感染拡大が日本中で猛威を振るいはじめ、7都府県が 緊急事態宣言下であった 4月は、日本国内におけるマッチ数が 1年間で最も多く、総スワイプ数が年間で 2番目に多い月となりました。「暇」「寂しい」など、人とのつながりの少なさを嘆く言葉が数多く使われ、例年 “人肌恋しい季節” は冬とされているのに対して、今年は 4月が ”人肌恋しい季節” となりました。また「オンライン飲み」も多用され、コミュニケーションがオンラインに本格的にシフトした月でもありました。
Tinderでは 2020年 4月 7日から約 1か月間、有料版 Tinder Plus および Tinder Gold 内の機能のひとつ、パスポート機能を世界の全ユーザーに無料提供しました。世界中の人々が同じ孤独や不安を抱えている状況で、メンバーの 16%がパスポート機能を活用。パスポート機能の活用によるマッチ数は 2019 年平均の 7倍に上り、海外にいるメンバーと自分の住んでいる地域の情報交換、互いの状況を共有し心配し合う様子が見られました。
今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、大学の入学式が中止、さらに授業もオンラインで行う大学が多く、新入生の多くは仲間や友達作りに苦戦していました。また、新社会人も入社早々リモートワークを強いられ、不安な日々を過ごすこととなりました。そんな中、プロフィール内で「春から○○大学生(社会人)!□□に引っ越してきました。友達探しています!」のように、Tinderを活用 して、本来出会えるはずであった新しいつながり、コミュニティーを探す人々が多く見られました。
今年 5月、アメリカでの事件をきっかけに再び全世界に広がった人種差別抗議運動。「Black Lives Matter」についてプロフィール内でコメントする人の数がアメリカでは昨年比 55 倍 *2 にも上り、”Black Lives Matter を支持していない人は無理” のようなコメントも多く見られました。また、日本国内でもこの運動をサポートする文章や絵文字✊🏿✊🏾の利用が増加しました。
*2 2019 年 1 月~11 月 15 日と 2020 年同期間の比較
コロナ禍でも毎年の傾向と変わらなかったことのひとつに、日本では今年も夏休みにあたる 8月のスワイプ数とライク数が年間で最も多くなりました。コロナ禍でのニューノーマルな生活に人々が慣れ始め、カフェやビール、キャンプ、散歩など アウトドアに関連するものをプロフィール内に戻す人が増えた月でもありました。
歴史的な熱戦が繰り広げられたことが記憶に新しい今年のアメリカ大統領選挙。投票が近付くにつれ、投票に行こう、投票に行かない人はアウトなど、若者たちが率先して投票を呼びかけるコメントがアメリカでは数多く見られました。
好きな韓国ドラマや K-POPアイドルをプロフィール内に記載する人が急増。 日本では 5月ごろから徐々に増え始め、9月には 5月比 130%増加しました。ほかにも韓国語勉強中であることが書かれたプロフィールも多く見られ、Tinderのプロフィールからも第4次韓流ブームを裏付けることができることができます。
従来のようにプロフィール内で自分の趣味や興味のあるものを共有するだけでなく、今年は好きな TikTokをシェアし合う動きが見られました。日本国内でも、政府より緊急事態宣言が発令された 4月には、「TikTok」を含んだプロフィールの数が前月と比べて約 155%増加しており、TikTokが互いの好みを理解するための新たなきっかけとなったことが分かります。
2020年、Tinderで最も多く使われた絵文字は肩をすくめるポースの”🤷♂️”でした。”2020 年のうちに会えたらいいなー。会えるか分からないけど🤷♂️😂”のような、新型コロナウイルスの影響により先が見えない状況に対して使用される傾向が見られました。
🤷♂️ 🖤 😷 ✊🏾 🤯 🧻 🛒 🗳 🥺 🍻
今年はメンバーが使用する絵文字にも新型コロナウイルスの影響が及んでいまし た。生活が一変し、これまで”普通”と感じていたことができなくなった 2020 年。 今年を象徴する 10 のトピックスに関連する絵文字🤷♂️✊🏾🗳のほか、気分の落ち込み・憂鬱を表現する“🖤”、頭が混乱し気が狂う様子を表現する“🤯”など 負の心情を表す絵文字が急増しました。また、体調が悪いことを表現する“😷”、 世界中で見られた生活用品の買占めに関連する“🧻”“🛒”など今年ならではの ものも多数見られました。日本国内では、今年流行したぴえんマーク“🥺”や 飲む・飲みたい・オンライン飲みに関連して“🍻”の使用が増加しました。
*3 順不同