Tinderでは、人と人との新しい出会いを阻む壁を1つでも多く取り払うことができるよう、日々努力を重ねています。CEOとして3年目の職務を始めるにあたり、私がお伝えしなければならないのは、Tinderがすべての人が楽しく使えるアプリにはなれていないということです。
住んでいる地域に関わらず、ありのままの自分を出せる場所、誰を愛するかを自由に選べる場所 ー そんな場所を作り出すことを目標に掲げ、私たちは努力しています。数年前、私たちはコミュニティの受け皿をもっと大きくしようと考え、業界に先んじてジェンダーアイデンティティ(性自認)を拡大しました。そして今でも、人との出会いを求めるすべてのメンバーが受け入れられていると感じられるようなプラットフォーム作りを続けています。
この精神を胸に、今日はトランスジェンダーのコミュニティについて取り上げ、「インクルーシビティ(包含性)の実現」に向けて当社が一丸となって実施してきた様々な取り組みに触れたいと思います。その中で当社の製品改善や社員教育、プラットフォームの利用状況、メンバーの体験談などをお伝えします。
Tinderの製品エクスペリエンスの向上について
現在、Tinderではメンバーが自分の性自認を正しく表現できるよう、用語を追加できるMore Genders機能を導入しています。これによって多くのマッチが成立し、偏見の減少につながった一方で、トランスジェンダーのメンバーに対して注目も集まり、特にトランスジェンダーの女性を締め出す動きが出てきたのです。
More Genders機能の開発時、私たちはフィルタリング機能にトランスジェンダーのメンバーを排除するオプションを入れないことを決めました。その判断を今も支持していますし、インクルーシブなコミュニティ形成のためにこれからもどんな努力も惜しみません。しかし、その努力が非常に残念な、予期しない結果をもたらしてしまったのです。トランスジェンダーであるというだけで、シスジェンダーのメンバーが非常に高い割合でトランスジェンダーの人々を通報しています。私たちの目的はインクルーシブなコミュニティの発展だったのにも関わらず、トランスジェンダーの人々の多くがそれとは逆の状況を感じています。私たちがTwitterでトランスジェンダーの支持を表明すると、その傾向はさらに顕著になりました。この事態を受け、私たちは改善に向けて直ちに次のような対策を取りました。
サポートチャネルの活用。直接かつより迅速にコミュニティに関与
トランスジェンダーに関する通報は、Tinderのエスカレーションチームに転送
アプリに警告メッセージを掲出。ガイドラインの違反が発生した場合、プロフィールを凍結せず、違反箇所についてより丁寧に助言
これらの対策を実施して以来、不当な通報がありつつも、Tinderの利用を続けるトランスジェンダーのメンバー数は増加傾向にあります。これまでの進展に手ごたえを感じるとともに、今後もTinderの通報システムについて、適切に評価し、改善を続けていきます。また、メンバーの皆様にMore Genders機能を利用するよう呼びかけています。Tinderで性自認を選択しても、自分で公開を選択しない限り、その内容が他のメンバーに知られることはありません。もしジェンダーアイデンティティを理由に通報され、自分のアカウントが凍結されたと思われる場合はquestions@gotinder.comまでご連絡ください。
社員教育について
私たちTinderは、社内のあらゆる部分でインクルーシビティの考え方を取り入れています。管理職以上の社員はSpeaking of Transgender社による講習を受講しました。2020年には全社員が受講予定です。
トランスジェンダー関連の発信を増やすことについて
残念ながら、トランスジェンダーであることはまだまだ大変困難なのが今の世の中の実情であり、誰かとデートすることも難しいかもしれません。私たちはトランスジェンダーの人々の体験談を発信することで、彼らの意見を伝えたり、存在を主張するなど、私たちなりの役割を果たしたいと考えています。その一環として当社のTinderインクルーシブ活動シリーズの動画がまもなくSwipe Lifeからリリースされる予定です。トランスジェンダーを自認することがどんな意味を持つのか、そして実際にトランスジェンダーの人々が経験したデートの体験談(成功談、失敗談共に)などについて取り上げています。
誰もが受け入れられる場所 ー それがTinderであると思っていただけるよう心から願い、私たちは活動を続けています。Tinderのグローバルコミュニティでさらなる改善を目指してまいりますので、今後とも私たちの活動にご注目ください。
Tinder 最高経営責任者(CEO) エリー・セイドマン